どちらも無事動作したが、私が作ったほうは高圧が380Vどまりで、それ以上調整できなかった。
動作はしたが、GM管 408γの定格の400Vにしたい。
そこで、今日調査したところ…、結果は、単に、電池が消耗していただけだった。
お粗末様。
ただ、原因調査しながら、色々調べていると、どうも今までの回路はまりお勧めできないことが分かってきた。
どうも線量が高くなるとサチる傾向があり、611GCMの測定会の結果でも、バックグラウンドを差し引いた測定値距離の自乗に反比例していなかったし、校正カーブ(cpm~μSv/h変換カーブ)が少し曲がっているのが気になっていた。
現在は線形近似して使っているが、 この改良で、本当に線形になるかもしれない。
そのうち、ちゃんとした線量計と比較してみたい。
また、色々調べていると、今のままでは、寿命にも影響があるかも知れないいことが分かった。
そこで、製作したばかりの2号機を改良してみた。
以下、改良のポイントをまとめておく。
従来回路:GMC-01-CL rev.1.2 (回路図 SCH PDF)
改良回路:GMC-01-CL markII (回路図 SCH PDF)
【改良点1】
パルス検出部の変更。
今まで、カソードに高抵抗(10M程度)を入れ、そこからコンデンサを介してトランジスタで受ける独特の検出回路だった。
しかし、CENTRONIC社の "Geiger Tube Theory" (文献1)という文献を読むと、この回路ではアノード~カソード間の容量が大きくなりすぎて、
(1) 寿命を縮める可能性
(2) プラトー電圧の幅が縮まる可能性
があるようだ。
そこで、結果的にはアノードに高抵抗 R10 (10M程度)を入れ、カソードに負荷R11 (100kΩ)を入れるオーソドックスな方式に変更した。
(実際にはトランジスタのベースでカソード電流を受ける方式のため、カソード抵抗R11は無くても動作する。しかし、カソード容量のC13は無いと動作しなかった)
その結果、以下のように、低線量でのカウント数は変わらず、高線量でのカウンと数が2倍以上に伸びた。
機器
線源 | 従来回路 (GMC-01-CL rev.1.2) ベータ線遮蔽なし(実験中につき) |
改良回路 (GMC-01-CL mkII) ベータ線遮蔽なし(実験中につき) |
cpm | cpm | |
バックグラウンド (自然+福島第一の事故で積もった放射能) | 101 | 99 |
線源:レンズ(TAKUMAR 1:1.4 50) + Iwatani CP-200-MANTLE | 1,453 | 3,276 |
従来、ベータ線遮蔽にため、ガイガー管を金属パイプに入れていたが、その金属パイプが電気的に浮いたままだったので、気持ちが悪かった。
パイプを接地すればいいのだが、接地してカソード~グランド間の浮遊容量が増えるのも厭なのでそのままにしていた。
しかし、今回の回路では、 C13(浮遊容量の2桁ほど大きな値、容量の決め方は文献1のEQUIVALENT CIRCUIT, compensations 参照)が並列に入るため、気にせず接地できる。
尚、今回、C13の値を決めるため、手持ちの2種類のGM管のアノード~カソード管容量を実測した。
結果は以下の通りである。
J408γ: ガイガー管 3.1pF, ガイガー管 + 回路配線 3.6pF
GI-1G: ガイガー管 2.7pF, ガイガー管 + 回路配線 3.2pF,
【改良点2】
ACアダプタでも使えるようにした。
屋内の定点観測はこれを使うことにする。
【改良点3】
カウンタの電源をシリーズレギュレータから取るようにした。
従来は電池からダイオードを数個入れてドロップさせていたが、ACアダプタも使うようにしたため電源電圧が変わる可能性がある。
そこで、シリーズレギュレータの出力から取るようにした。
【改良点4】
カウンタ用の歩数計の改造で、*R1を0オーム(*R1をショート)にした。
「自作ガイガーカウンタ用の歩数計改造メモ」追記3 参照
文献
1 Geiger Tube Theory, CENTRONIC社資料
http://www.centronic.co.uk/downloads/Geiger_Tube_theory.pdf
以上
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