2011/12/16

続シンチの実力

解説は後回しにして、写真をアップしておきます。

気温:8℃

シンチなし, 線源なし, ISO6400, 露出6分
シンチなし, 1μSv/h線源, ISO6400, 露出6分


BC-408, 線源なし, ISO6400, 露出6分

BC-408, 1μSv/h線源, ISO6400, 露出6分
 

2011/12/13

シンチの実力
幽霊の正体見たり枯れ尾花 m(_ _)m
三度目の正直


三度目の正直(2011/12/14)

昨日の続き、今度は真っ暗の中でやってみました。
今度は幽霊ではなさそうな。ブログにアップしても、ドットの光、見えるかな?

(A1) BC-408, ISO6400, 露出時間 1.1秒、何も写っていません。
BC-408、ISO6400, 露出時間 1.1秒

(A2) BC-408, ISO6400, 露出を約5分(実際は6.5分でした)にすると、結構なドットが光っています。
BC-408、ISO6400, 露出時間 6.5分

(B1) BGO, ISO6400, 露出時間 6.5秒、何も写っていません(よく見ると、左下に2個光ってます)。
BGO、ISO6400, 露出時間 6.5秒

(B2) BGO, ISO6400, 露出時間 5分、これも結構なドットが光っています。
BGO、ISO6400, 露出時間 5分

(C1) CsI(Tl) , ISO6400, 露出時間 3.2秒、何も写っていません
CsI(Tl) , ISO6400, 露出時間 3.2秒

(C2) CsI(Tl) , ISO6400, 露出時間 5分、これもドットが光っています。
CsI(Tl) , ISO6400, 露出時間 5分

以上、3度目の正直、BC-408が一番光っているようで、全部数えていませんが、1,000ドット以上ありそうです。ということは、100CPM以上あるかも。

だんだんシンチの実力に近づいてきたかもしれません。


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幽霊の正体見たり枯れ尾花(2011/12/13)

昨日(2011/12/12) 3種類のシンチの光る様子を試したつもりでいましたが、2種類のシンチが光る様子が同じような感じで写っており、どうも変だなということで、再度試してみました。

その結果、分かったことは、ピンク色の光は、ファインダーから入った幽霊(漏光)でした。
では、何故、大型のプラスティックシンチ(BC-408)は真っ暗なのに、残りの2種(BGOとCsI(Tl))は光っていたのか?
理由は、撮影時のファインダーが横を向いていたか、上(照明)を向いていたからでした。

この写真は、プラスティックシンチを使ってシンチの光を撮影したときのもの。ファインダーが横向きなので、照明の光が入りません。


一方、この写真は、残りの2種(BGOとCsI(Tl))のシンチの光を撮影したときのもの。ファインダーが上向きで、照明の光が入ります。


 それで、シンチを付けずに、線源も置かずに、カメラを下向きにして写真を撮ると、下のような光が映りました。感度はISO6400, 露出時間は1分、シンチの実験と同じです。




試しに、ファインダーを黒テープとアルミテープで遮光すると、以下の通り、真っ暗。


 ということで、幽霊の正体見たり枯れ尾花、シンチの実力は不明です。

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---- 以下は2011/12/12時点の事実ですが、真実ではありません。2011/12/13気付ましたm(_ _)m ----
シンチの実力(2011/12/12)

3種類のシンチレータを入手したので、カメラレンズの前に取り付けて、どれだけ光るのかを試してみました。

先ずは、BICRONのBC-408というプラスティックシンチレータ。ebayで入手しました。
http://www.ebay.com/itm/200664890714?ssPageName=STRK:MEWNX:IT&_trksid=p3984.m1439.l2649#ht_1827wt_900
10cm x 3.5cm x 3.5cmとかなり大ぶりです。

これを、遮光するために、アルミ缶に入れます。
クッションを詰め込み、固定します。


レンズに取り付けます。


次は、BGO(ビスマスゲルマニウムオキサイド)という結晶シンチレータです。これも、ebayで入手しました。

http://www.ebay.ie/itm/1-Bismuth-Germanate-BGO-Scintillation-Crystal-Radiation-Detector-Scintillator-/320799530609?pt=BI_Security_Fire_Protection&hash=item4ab1245e71

これは、30mm x 12mm x 6mmと小型です。


小さいので、レンズキャップの裏に置いて、レンズにくっつけます。



3つ目は、CsI(Tl) (ヨウ化セシウムタリウム)という結晶シンチレータで、秋月で入手できます。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-05291/

これも、5.5mm x 5.5mm x 5.5mm と小さいので、レンズキャップの裏に置いて、レンズにくっつけます。
これで、3種類のシンチレータ式放射線検出器ができました。
左から、BGO, CsI(Tl), BC-408です。
これを、カメラに付けて、露光します。

試験用に、表面線量が だいたい1μSv/h のセシウム線源を用意しました。


この線源と、線源が無い場合(バックグラウンド)の写真を撮ってみました。
感度はISO6400, 露出時間は1分で試してみました。

BC-408 バックグラウンド

BC-408 線源あり

BGO バックグラウンド

BGO 線源あり<-- 幽霊(漏光)と判明

CsI(Tl) バックグラウンド

CsI(Tl) 線源あり<-- 幽霊(漏光)と判明

BC-408は反応が無く、残念な結果ですが、BGOとCsI(Tl)は光を出しています。
以上、シンチレータの反応実験でした。 <-- 幽霊(漏光)と判明、この記事の上部に真相を書きました。2011/12/13 m(_ _)m



2011/11/14

Ouse meeting 111113


ひさしぶりの投稿です。

昨日、日立の会瀬青少年の家で「自作ガイガーカウンタ」の有志が集まってミーティングをしました。

そのときの映像を@bakuchyan さんがオンライン配信してくれました。録画が見れますので是非どうぞ。

発表会 1, 2011年11月13日 12:11:43
http://twitcasting.tv/bakuchyan/movie/2975703

発表会 2, 2011年11月13日 12:41:49
http://twitcasting.tv/bakuchyan/movie/2975884

発表会 3, 2011年11月13日 13:11:55
http://twitcasting.tv/bakuchyan/movie/2976101

校正会 1, 2011年11月13日 14:12:04
http://twitcasting.tv/bakuchyan/movie/2976568

校正会 2, 2011年11月13日 14:44:39
http://twitcasting.tv/bakuchyan/movie/2976824

TwitCasting 履歴
http://twitcasting.tv/bakuchyan/show/

最初は難しそうな話ですが、だんだん分かりやすい話になります。

@ichimiyar さんの資料 http://bit.ly/vLWncC
@bakuchyanさんの資料 後報
@digiponta さんの資料 http://t.co/JEe2zUPP
@mo_t_on さんの資料 http://t.co/S7LdMjWJ

今回の事故以前からやっておられた方も、今回の事故以降に始められた方もいます。

どちらにしても、趣味を通じてのボランティアで、世の中に少しでも貢献したいと思っている人たちです。

2011/09/16

【時々の途中経過】茨城県北といわき市の放射線量率と累積値
Radiation dose rate and accumulated value at north part of Ibaraki Pref and Iwaki City at north part of Ibaraki Pref and Iwaki City

この記事は2011/7/ 4 時点の「茨城県北といわき市の放射線量」のコピーである。

最新版は

茨城県北といわき市の放射線量率と累積値

カテゴリー:福島第一原発トラブル
タイトル:茨城県北(北茨城、高萩、日立市)と福島県いわき市の放射線量率と累積値
概要:2011/07/4 12:00のデータに更新。

各地とも、ほぼ推定値どおり(注1)、5月末以降、横ばいを続けている。

注1:厳密には、いわき以外は若干のずれが出ている。これは、高萩での測定点変更、核種の成分比の推定と実際のずれ、原因不明の測定値の落ち込みなどによるものである。
再推定を行おうと思っているが、忙しさにかまけて、未だやっていない。

関連情報

日立市大沼町の放射線量率スナップショット
Radiation dose rate snapshot at OnumaCho Hitachi-city Ibaraki


つくば(KEK)の空間線量率スナップショット
Radiation dose rate snapshot at Tsukuba (KEK) Ibaraki


参考記事 
各地の放射線モニタ関連情報
全国の放射線量他のデータ、グラフ
福島原発の放射能に関する専門家の意見 

過去の記事
過去の記事は時々、【時々の途中経過】に保管しています。

管理人:mountain_hill
ツイッター: @mountain_hill http://twitter.com/mountain_hill
メール:mountain_hill@k567.org

1 データのグラフ
1.1 カレント値 (current value)
(1) 測定値
7/4 日現在、以下の通りであり、各地(*2)ともほぼ推定値どおりで、5月末以降、横ばい状態である。
現在値は従来の自然放射線(*1)の3~4倍程度である。

いわき(合同庁舎): 0.2µSv/h (7/4 日12:00時現在)
北茨城(市役所): 0.19µSv/h (7/4 日12:00時現在)
高萩(総合福祉センター)(*2): 0.13µSv/h (7/4 日12:00時現在)
日立(大沼町): 0.17µSv/h (7/4 日12:00時現在)

(*1) 従来の自然放射線量は場所により異なるがほぼ 0.05µSv/h程度である。
(*2) 4/19 18:10 から高萩の測定点が変更された(小山ダム --> 高萩市総合福祉センター)。

 Fig 1 現在値(2011/3/14 ~)

いわき(合同庁舎)は、6月16日~20日にかけて若干増加したが、その後、元に戻っている。他の3地域ではそのような傾向は見られない。

北茨城(市役所)、高萩(総合福祉センター)、日立(大沼町)では6月14日午前2時頃~7時頃、0.02~0.03µSv/hほどのピークが観測されている。データをよく見ると、北から順に時間差があるので、たぶん、福島第一で何かあったと思われる。

しかしながら、その後またもとに戻っていること、および、文科省の定時降下物の調査結果の「ひたちなか市」のデータでも特に異常がないことから、放射性物質の降下は無かったと思われる。


Fig 2 現在値(2011/4/1 ~)

(2) 推定値と測定値の比較
4月12日に、単純モデル(*1)と放射線量変化モデル(*2)による、各地の今後の線量の推定した。

その結果、放射線量変化モデルによると、カレント線量は5月いっぱい程度で下げ止まっている(実測値もそうなっている)。

以下はこの推定値と測定値を重ねてプロットしたグラフである。

【いわき】
測定値は放射線量変化モデルによる推定値とよく合致している。
 Fig 3 いわきの測定値と推定値(~7月4日)


【北茨城】
測定値は放射線量変化モデルによる推定値よりも若干下方に推移している。これは、核種の配分比の推定が実際とは違うためと思われる。実際には、Cs-137に比べて半減期が短いCs-134の影響が出ているためと思われる。

 Fig 4 北茨城測定値と推定値(~7月4日)
【高萩】
高萩の推定値は測定点が小山ダムだったときのデータを基にしているため、実測値とは乖離がある。
 Fig 5 高萩測定値と推定値(~7月4日)
【日立】
大沼町モニタリングポストでは4月15日に突然の落ち込み(0.046µSv/h)があり、そのまま推移しているため、推定値よりは若干低めである。
 Fig 6 日立測定値と推定値(~7月4日)

 (*1) 線量推移が指数関数+定数に従うと仮定した単純モデル


線量近似値 = (初期値 - 自然線量率) x 0.5^(初期値からの時間/T) + B

T: 複数の核種の半減期を十把一絡げにした「みかけの半減期」である。
B: ここ数年の、線量の落ち着き先であり、半減期が長い放射性物質の寄与やどこかからやってくる(放出されている)放射性物質および従来の自然線量の総和の「みかけの自然線量」である。

ここでは、下記の2ケースを計算してみた。
[ケース1] 見かけの半減期をヨウ素131のそれ、みかけの自然線量を従来のそれとした場合
[ケース2] 半減期 と自然線量を変化させ、3月21日以降の実測カーブとフィットさせた場合
ケース2は初期値と見かけの半減期を、カーブのへこみ具合が一致するように短めに選んで固定し、実測値と近似値のグラフがフィットするように見かけの自然線量を動かすことにより、大き目の「みかけの自然線量」を予測しようとしたものである。
これを、近い将来に延長してプロットすることにより、今後の線量の上限が想像できる。


(*2) 放射線量変化モデル 
岡山大の北脇先生による考察を参照。
「放射線量変化モデルによる、積算放射線被曝量の推定と放射線源の推定」
http://www.cc.okayama-u.ac.jp/~kitawaki/Radiation_Model_Sim_4.htm


1.2 累積値 (accumulated value)
1.2.1 測定値の累積
3月14日から7月4日までの累積線量(*3)は以下の通り。

いわき(合同庁舎): 1.1mSv
北茨城(市役所): 0.84mSv
高萩(小山ダム、高萩市総合福祉センター): 0.71mSv
日立(大沼町): 0.55mSv

注意1: この値は1日24時間屋外屋外で過ごした場合であり、屋内はもっと小さい。
注意2: 4/19 18:10 から高萩の測定点が変更された(小山ダム --> 高萩市総合福祉センター)。
4/20の記事で、高萩の突然の落ち込みが謎であったが、茨城県のデータに高萩の測定点を変更した旨の注意書きがあった。

現在の値は、いわきで胸部レントゲン22回程度 、北茨城で17回、高萩で14回、日立市大沼町で11回程度である。

また、玉川温泉岩盤浴と比較すると、低レベル地域の量である。(一日中ずっと岩盤浴をしている人もいないと思うので、この比較もナンセンスといえばそうであるが、一つの目安である)

(*3) 累積値 = ∑{(カレント値 - 自然放射線量)} x サンプリング間隔
ただし、自然放射線量は 0.05 µSvと仮定

 Fig 7 測定値の累積値

1.2.2 推定値の累積

放射線量変化モデルの推定値から今後の累積線量を予測してみた。
それによると、以下の通りであり、そんなに気にしなくていい値になりそうである。
ただし、以下の2点に注意のこと。
注意1:これはあくまでもある前提に基づく理論的な予想であり、今後このとおりになるという保証はない。従って、今後とも測定データのウォッチは必要である。
しかしながら、カレント値の予測と測定値は今のところよく一致している。
注意2:この値は1日24時間屋外で過ごした場合であり、屋内はもっと小さい。

半年後の推定累積値(2011/03/14 - 2011/9/15)
いわき(合同庁舎): 1.4mSv
北茨城(市役所): 1.2mSv
高萩(小山ダム): 0.8mSv
日立(大沼町): 0.9mSv

1年後の推定累積値(2011/03/14 - 2012/3/15)
いわき(合同庁舎): 2.2mSv
北茨城(市役所): 1.9mSv
高萩(小山ダム): 1.1mSv
日立(大沼町): 1.6mSv

Fig 8 測定値と推定値の累積値

尚、これらの推定累積値では高萩の値が低くなっているが、これは測定点の特異性によるものかもしれない。 今まで、高萩の測定点は小山ダムにあり、他の地域と振る舞いが異なっていた(測定値の下がり方が速い、すなわち、半減期が短めに見えていた)。

4/19 18:10 から高萩市総合福祉センターに変わり、測定値の減り方は他の地区と同じようになった。しかし、線量そのものが低いため累積値の増加率は小さい。

1.3 出典データ

■北茨城、高萩のデータ
茨城県内の空間線量率の状況
6月4日からURL変更。(新しいデータが上側に表示されるようになって、データ加工に時間がかかるようになった。CSVで公開して欲しいものだ)


■日立市大沼町のデータ
茨城県環境放射線監視センター
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/earthquake/doserate.html
尚、このデータのCSV版は理研の板橋健太氏が下記で公開されている。
http://ag.riken.jp/u/mon/anim.html

■いわきのデータ
いわき市内の環境放射能測定値
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/topics/010570.html

福島県災害対策本部
平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況速報
http://www.pref.fukushima.jp/j/index.htm

2 解説

この情報は茨城県北(北茨城、高萩、日立市)と福島県いわき市のデータをグラフ化したものであり、「1.3 出典データ」に示すデータを元に作成した。
これらのデータをスプレッドシートにまとめたものは「radmonitor311 放射線量モニターデータまとめページ」 から入手できる。
https://sites.google.com/site/radmonitor311/home
https://sites.google.com/site/radmonitor311/dirtop/shared_data
https://spreadsheets0.google.com/ccc?key=tMqgTZcBvskBshCBbFxxe6A&pli=1&authkey=CJT01f0L#gid=1

尚、それぞれの測定点は以下の通りである。

いわき:合同庁舎
北茨城:市役所
高萩:高萩市総合福祉センター (注1)
日立:大沼町

注意1:4/19 18:10 から高萩の測定点が変更された(小山ダム --> 高萩市総合福祉センター)


来歴
(データ更新による内容の更新については、いちいち来歴は記さない)

2011/3/27 タイトル簡素化と、いわきの3/14~15のデータを追加した。 
和文:「茨城県北と福島県いわき市の放射線量の状況」→「茨城県北といわき市の放射線量」
English: "Radiation Monitor data snapshot at north Ibaraki-pref and Iwaki-city Fukushima-pref " --> "Radiation Monitor data at north part of Ibaraki Pref and Iwaki City "
理由:他の記事との整合化とツイッターでの字数節約


2011/3/28 タイトルをもう少し正確にした。

和文:「茨城県北といわき市の放射線量」→「茨城県北といわき市の放射線量率と累積値」
English: "Radiation Monitor data at north part of Ibaraki Pref and Iwaki City " --> "Radiation dose rate and accumulated value at north part of Ibaraki Pref and Iwaki City"

2011/4/7 茨城県北に日立市大沼町のデータを追加した。

2011/4/15 推定値についてのグラフを充実させ、記事も全面更新した。

2011/08/11

気がつけば、今日で震災5ヶ月目

気がつけば、今日で震災5ヶ月目。

いやまあ、あれは何だったんだろう?でも私は生きているからこのブログを書いている。有り難いことだ。亡くなった方に黙祷…。

そういえば、最近ブログの更新をしていない。

当初は何が何だか分からなくて、停電と断水と余震の中で、助川山や小豆洗い不動尊に水を汲みに行ったり、日立市の給水車を待ったり…(ブログ「助川山のきのこ」参照)。

そうこうしているうちに、福島第一の放射能の事故が発生。このブログは、当初1000年に1度の大震災の生情報を記録するはずだったが、いつのまにか身の回りの放射能の情報専用になっていた。

私が住んでいる茨城県日立市の近くには、幸い?、モニタリングポストが充実しており、それらのスナップショットを記録することにした。

振り返ると、3/15と3/21が、この近辺に放射性物質が降り注いだ日であるが、当日私は何をしていたのだろうか?

たぶん、3/15はガソリンを求めて長い行列に並んでいたように思うし、3/21は春分の日の休みで、肌寒い雨が降っており、家で放射線のことやらを調べていたような気がする。

昔、JCOの事故で避難した覚えはあるが、その後、電気や水道の有り難味も原子力のことなども殆ど何も考えていなかったと思う。身の回りに、これだけのモニタリングポストがあることも知らなかった。

それが、たまたま、大沼町のモニタリングポストのグラフを見るととんでもないことになっていることが分かった。しかしながら、グレイとかシーベルトなどは人の名前だということは分かっても、それがどういう意味を持つのか全く知らなかった。

政府や地方自治体、テレビなども時間当たりと年間あたりを混同したり、何を寝ぼけたことを言ってるんだと言うことだけは分かってきた。

それじゃいかんと思って、ネットで色々調べて、やっと自分でこの近辺は何とか大丈夫だと納得したのが3月18日だった(「茨城県(北茨城、高萩、大子)の放射線量の検討」)。

その後、専門家の意見を調べたり、いわき~日立市の環境放射線量の累積値(積算値)を計算したり、今後のシミュレーションをしたり…と結構大変だったが、5月末には線量率は横ばいになるとの推定どおり、放射性ヨウ素(I-131)の影響が一段落し、主要核種(そういえば、核種なんという言葉も使ったことがなかった)が放射性セシウム(CS-134, 137)がになり、モニタリングポストのデータも横ばいを続けるようになってきた。

世の中の話題も、水道水、食物による内部被曝や土壌汚染、飯舘村や柏の葉のホットスポットなど、当初の半径何キロメートルがどうのこうのということよりも、ずっと具体的なことが問題となってきた。

私自身の関心も、いわゆる平均値ではなく、自分の周りのもっと個別の事柄に移っていった。

自宅の線量率はどうなのか?
近隣にホットスポットは無いのか?
近くの公園や幼稚園、学校は大丈夫なのか?
福島の山は大丈夫なのか(たまに山登りをしますので)?
玉川温泉の北投石は本当に2μSv/h 程度の放射線を出しているのか(身の回りの線量率との比較基準の一つとしているものですので)?

 そこで、最近は自分で放射線量率を測定するために、ガイガーカウンタを自作したり、それで近隣を測定したり…そちらに重点が移っている。

そうこうするうちに、震災から5ヶ月が経ってしまった。

半壊の我が家をどう建て直すかも考えながら、初心に戻ってブログの更新や今後のことも考えて行きたいと思う今日この頃である。

2011/08/11

2011/08/04

自作ガイガーカウンタシリーズ関連メモ -その5-
ガイガー管SI-22GとJ408γの比較

@felis_lynxさんにお世話になって、中国製のGM管J408γを4本入手してから2ヶ月経った。
当初、ガイガーカウンタを2台作って、2本のGM管を予備にしようと思っていたが、結局は私、Yさん、Nさん、Fさんと4台作ることになり予備品がなくなってしまった。

J408γを使った自作ガイガーカウンタ GMC-01-CL mkII

ところが、最近J408γが入手難である。
そこで、同じような大きさのものを探したところ、ロシア製のSI-22Gというのがあった。大きさや使用電圧も同程度なので、試してみることにした。

一昨日、ウクライナから4本届いたので比較してみた。

ウクライナから届いたSI-22G

 1本は動作不良だったが、残りは、自宅にある線源でJ408γの0.9~1倍程だった。
十分、代替として使えそうである。

線源は
(1) バックグラウンド(BG)
(2) クッションとして入っていたウクライナの綿花1.5g (測定の結果、わずかに放射線を出しているようだ)
(3) マントル (IWATANI CB-200MANTLE  2-pieces/pack x 3pack, バックグラウンドの10倍ほど)
(4) レンズ (PENTAX TAKUMAR 1:1.4/50, バックグラウンドの20倍以上)
の4種類で測定した。

その他の条件として、裸のGMT管とアルミパイプ(1 mm厚) でシールドし、ベータ線を遮蔽した場合に分けて測定した。
レンズを測定中のSI-22G

測定結果を下表に示す。
SI-22GとJ408γによる各線源の測定結果

SI-22GとJ408γの比較
その結果、SI-22をJ408の代替品として使用する場合、
(1) アルミシールド付の場合は、ほぼ一定の換算計数

SI-22(CPM) =  0.9686 x J408(CPM)

で換算できそうである。

(2) 裸管(シールドなし)の場合は、ベータ線の影響によるバラツキが大きいため、GM管毎の個別の換算式を求めておく必要がある。

管理人:mountain_hill
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2011/07/12

自作ガイガーカウンタシリーズ関連メモ -その4-
倍電圧整流高圧電源の実験

@mo_t_on さんが900VのGM管を使うというので、秋月のCCFLインバータを倍電圧整流すれば?と言ってみた。

でも、やったことなかったので、ちょこっと実験してみた。

尚、電圧の測定は、4.7MΩ2個と47kΩ1個を直列に接続し、47kΩ両端を測定した。
本当は抵抗の誤差も考慮しないといけないが、今回は、測定電圧の200倍を出力電圧と読み替えた。

実験に使ったインバータは、この前、半波整流で使ったときも、あまり電圧がでず、リップルも多かったので、個体の問題かも知れない。
今度、別の個体でもやってみるつもり。やってみた(2011/7/12)。
適当にCRフィルタを入れれば何とか実用になるかもしれない。

実験回路

実験基板(ブレッドボード)


結果
入力3V付近で、1,000Vは軽く出る(10MΩ負荷)が、リップルがひどい。普通のダイオード+0.01μFで、リップル 880Vpp、ファーストリカバリダイオードで、リップル640Vpp。ちょっと厳しい。その後、別個体で追加実験を行った。

手持ちの高圧コンデンサがあまりないので、容量はそれほど増加できなかったが、適当なCRフィルタを入れると何とかなるかもしれない。

インバータの出力電圧とリップル
共通条件:平滑コンデンサ:10nF, 負荷抵抗:10MΩ

ケース1
ケース2
ケース3
ケース4
インバータ (S-050854) 個体A 個体A 個体B 個体B
ダイオード 普通 (1N4007) ファーストリカバリ
(05NU42))
ファーストリカバリ
(05NU42))
ファーストリカバリ
(05NU42))
入力電圧、電流  3.1V, 73mA 2.8V, 65mA 2.9V, 66mA 2.7V, 62mA
その他 - - - 出力にCRフィルタ(100kΩ + 9.4nF)追加





出力電圧 平均 900V 900V 900V 900V
リップル Vp-p 880V 620V 560V 490V

普通のダイオードの場合
入力 3.1V
リップル 880Vpp


ファーストリカバリダイオードの場合
入力 2.8V
リップル 620Vpp
 使えそうな気もするが、ちょっとリップルが大きすぎて、厳しいかも。

(以下、7月12日追記)
インバータの 個体を変えてみたら、ちょっとリップルが小さくなった。

ファーストリカバリダイオード
入力 2.9V
インバータ個体(B)
リップル 560Vpp

 出力に100kΩ + 9.4nF(4700pF並列)のRCフィルタを入れてみた。

ファーストリカバリダイオード
入力 2.7V
インバータ個体(B)
出力にCRフィルタ(100kΩ + 9.4nF)
リップル 490Vpp